INTERVIEW

建築の仕事を重ねていると、少しずつ「欲」が出てくる。スケールの大きな建築の裏側にあるのは、小さな欲を追う地道な仕事と、ささやかな楽しみ。

松田雅代さん松田雅代さん:1963年7月生まれ。
国立大学工学部建築学科卒業後、
ハウスメーカーで経験を積み、
その後、設計事務所に長年勤務。
ご主人の転勤で、日本各地や海外への渡航の経験も。
2014年7月アペックスへ登録、大手設計事務所へ勤務。
約3ヶ月就業のち、大手ゼネコンの再開発現場にて、
CADオペレーターとして活躍中。
休日は、趣味のテニスで汗を流している。

使用CAD:Auto-CAD
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絵やインテリアから、スケールの大きな建築へと、興味が移りました。

Q.建築にはいつからご興味が?

中高生くらいの頃、ドローイングをするのが好きだったんですね。元々、絵を描くことが好きで、あとはインテリアに興味があったんです。なので、そこから自然な流れで建築へ向かっていったところがありますね。でも実は・・・今はインテリアには興味が無くなってしまったんです(笑)!インテリアも面白かったんですが、もっと大きな「箱」というか・・・「全体」の方が面白く、興味の対象になっていったんですね。インテリアは、すごくミニマムな感じの世界なので。それはそれで、凝ると奥は深いんですが、もう少しボリュームがあるアプローチの仕方に興味が移っていきました。そうは言っても、なかなか仕事の中でその欲求を満たすのは難しいんですけどね。そういった機会や余裕のある仕事はなかなか出来ないというが正直な現状だったりはします(笑)。スケールの大きな物件自体が少なかったりするので、貴重なことですね。

Q.建築学科ご卒業後、どのような道へ進みましたか?

初めは、住宅会社に入り、その後設計事務所へ進みました。関わったお仕事では、集合住宅が多かったです。他は、診療所ですとか公民館など、わりと小規模な一般建築物が中心でした。小さな設計事務所だったんですが、住宅以外にも、市町村の建物で、物産館でしたりとか・・・そういったものをグループになって共同で手掛けたりしていました。規模にもよりますが、とっかかりから言うと、基本設計に半年以上かかるような感じで進んでいきます。実施の製図の時間というのは意外に短く、それまでに何度もやりとりがあるような進み方なんですね。物件の大きさや人数にもよりますが、製図は1、2か月なんだけれども、それが決定するまでに半年から1年弱・・・という長さであることが多いんですよね(笑)。集合住宅は、最近でも物件としては増えているようです。住宅は流行というよりも、生活にすごく密着しているので、そういった意識で関わっていましたね。

Q.流行を感じられる建物というのもあるのでしょうか?

そうですね・・・公共の建物というのは、ある意味、時代の傾向というのはあるかもしれません。オフィスビルでしたり、公共物でしたり・・・そういったものは、最近は、ガラス張りで、開放的で明るくて、というような、重さを感じさせない傾向を感じますね。例えば、石張りで重厚なもの・・・というのは、無いわけではないけれど、傾向としてウケにくいというような印象はあるかもしれないですね。

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印象深い仕事は、小さな診療所を手がけたこと。

Q.建築のやりがいや面白さはどんなことですか?

やっぱり1つあるのは、物件の図面が1冊出来あがった時。ひと通り揃った時は、「ああ、終わった~!」という感じはありますね。でも実際終わってはいなくて、そこからが始まりなんですけどね(笑)。一区切りつくという意味では、ほっとするところかもしれません。実際はそこから変更もありますし、最後にものが立ち上がるまでは終わったとは言えないのですが・・・。実施の設計図が終わった時には、達成感がありますよね。

Q.印象に残っているお仕事はありますか?

栃木の方にある、小さな診療所をやらせていただいたことがあって・・・そこは、勤務医から独立する先生が建てる、診療所兼住宅だったんです。そこはわりと、私がメインでやらせていただいて、すごく楽しかったのを覚えています。「ああしましょう、こうしましょう!」と遠慮しないで提案させていただけたので(笑)。また、実際に現場を進めていくと、こういう問題も出てくるんだなあと、リアルに実感したことも多かったですし、建築とは関係のない開業にまつわることなど、畑違いの分野でありながらも勉強させていただく面が本当に多かったんです。やったな、という実感が多いお仕事でしたね。

Q.その先生にとっては、新しい人生のスタートという感じだったでしょうね。

まさにそうなんです。診療所兼住宅ともなると、そこが仕事場でありお家なので。こだわったところがあるといえば、まずはやはり診療所なので、患者さんが入りやすいように開放的であること。広いリハビリスペースが使いやすいように、どうすればいいかなども考え、医療関係の方と相談させていただいたりもしました。あとは、2階が住宅のスペースだったので、1階との繋がりをどうしようとか・・・お仕事と生活、付かず離れずの距離ってどうすればいいのかと、考えましたね。住まう方の考え方や、やり方があるので、打ち合わせはしっかりさせていただいて進めました。今でも、建物はちゃんと建ってるかな、雨漏りはしてないかな?なんて・・・そんなことはないと思うんですけど(笑)、ふと頭に思い浮かべてしまいますね。

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いつか建てて見たいのは、作品に向き合える閉鎖的な美術館。

Q.建築に惹かれ続ける理由があるとすれば?

そうですね・・・実際に毎日毎日こういった仕事をしていると・・・欲が出てくるんでしょうね。もうちょっとやりたい、もう少しこうやりたい、という気持ちというか。例えば、最初の会社のような、住宅の仕事をやっていた時には、住宅に関わりながらも、もうちょっと他のものも作りたいな、と感じていました。それで設計事務所に行きたいなと思って移りました。作っていく過程としても、まずは敷地を決め、どちらに向かって開いたものにしよう、どういうふうにすれば人にアピール出来る建物になるかなと、配置や方角性を考えます。その後に、それを立体的にどういうデザインにしようかというのは、施主さんの要望や事務所の方針もありますし、沢山関わってくるものがあるんですよね。色々な建物を見ていると、私なんかはまだまだですけど、よくこういう物を作ろうと思ったな~と感じることもあるんですよね。

Q.いろんな場所に住まれたことがあるとお伺いしました。

多いというほどではないんですが、夫の転勤で、引っ越ししたり、海外に行ったりはしましたね。今は埼玉県なのですが、三重県や栃木、あとはベルギーに3年くらい。私は着いて行っただけなんですけれど(笑)、あっという間でしたね。CADのお仕事は、場所問わずに出来るお仕事ではあるので、そこはありがたいというか、助かっています。設計のお仕事ではCADはかかせないものになっているので。

Q.アペックスさんとの出会いはどのようなことでしたか?

仕事をしようかなと思った時に、ハローワークも探してみましたが、どういう働き方がいいのか判断しかねていたんですね。そんな時、インターネットでアペックスさんの出されていたお仕事をふと見つけて申し込みました。そうしたら、アペックスさんの方から熱心にお電話をいただいたんです。熱意に引かれるままに、今に至っていますね。現在は、埼玉の現場事務所で施工図を描いています。

Q.いつか建ててみたい建物を教えてください。

地方の小さな資料館や美術館をやってみたいです。わりと、地方の小さなものの方が個性的なものが増えているのかなと、最近そう思うんですね。もし作れるとしたら、すごく閉鎖的なものにしたいんです。1人になれるというか、そこにあるものとじっくり向き合える空間というのを作って見たいんですね。美術館だったら、そこに主体となるものがあるので。そういう空間が欲しい人もいるんじゃないかななんて。小さな夢を抱いています。

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CADはどのように学ばれたのですか?

設計事務所にいた時に、必要に迫られてですね。ドラキャドというマイナーなCADで、それはそれで便利だったんですが、他のCADも使えるようにと、2年前くらい前から職業訓練学校に通っています。そこで、主流であるAutoCADを学びました。

趣味や息抜きなんですか?

もう10年くらい続けているんですが、テニスですね。運動不足解消のためというわけではないんですが、体を動かすとやっぱり気持ちいいですよね。後は旅行も大好きです。

最後にひとこと

建築は、ほとんどチームで動くんですが、自分が考えたものが採用になることも嬉しい瞬間の1つです。グループで仕事しながら、1人1人の視点も大事になる。どんな仕事でも苦しいことはありますし、正直人に誇れるようなところはないんですけど・・・ささやかな楽しみのために地道な仕事を頑張るのはとても楽しいです!

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INTERVIEWER'S_EYES

 

柔らかい笑顔で、色々なお話を教えて下さった松田さん。開放的な診療所から閉鎖的な美術館まで、その空間にいる人が求めるもののイメージを、くっきりと思い描くお話から、建築の奥深さを知ることが出来ました。ますますのご活躍を期待しています。貴重なお時間、本当にありがとうございました!

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